1945年、第二次世界大戦末期の中国・旧満州。 そこには、日本の国策で移住した約150万人の日本人庶民が暮らしていた。 だが、終戦直前、日本軍は彼らを見捨てて撤退。戦火の中、数多くの女性や高齢者が命を落とし、数千人の幼い子供たちが親と離れ離れになった。中国語しか話せない日本人、中国残留孤児。答えのない問いを胸に、80年の歳月を生きてきた彼らは言う。「私たちの戦争は、まだ終わっていない」。本作では、日中共同取材チームが、残留孤児とその家族を含む3世代・100人を2年にわたって徹底取材。1990年代に帰国を果たすも日本社会に溶け込めず、自殺未遂に追い込まれた一世、日中両国で差別を受け、その抵抗手段として準暴力団「チャイニーズドラゴン」を結成した二世、日中ハーフであるルーツを隠し、友人にさえ真実を語れない三世など、80年を経た今もなお、「私は誰なのか」を探る中国残留孤児たちのアイデンティティの物語。